社員インタビュー
Interviews

不正の調査と防止体制の構築。
それは社会正義を守ることにも通じる。
齊藤 優亜Yua Saito
アソシエイト Forensic
2022年入社
大学卒業後に進んだのは国家公務員の道。東京国税局に入局し、税務調査業務に約3年間従事した。その後、汎用的なビジネススキルを身につけたいと考え、コンサルティング業界への転身を決意。フランクでオープンなカルチャーに、ここでならばノーストレスで仕事ができると感じてKPMG FASへ入社する。趣味は高校から続けている筋トレ。ジムには週3~4回通っている。
国税局での調査業務の経験が活きている
漠然と「何らかのプロフェッショナルとして生きていきたい」と考えた末に選んだのが、東京国税局でした。税務調査に従事しましたが、どのような不正が行われている可能性があるのか仮説を立て、現場では法人の方とコミュニケーションを取りながら調査を実施し、クロージングまで一貫して自分の責任で進めていくという仕事には、大きなやりがいがありました。しかしその一方で、このまま10年20年と同じ仕事で経験を重ねていくことへの不安もあり、新しいことにもチャレンジしたいという思いも湧いてきました。そこで、自分の可能性をもっと広げられるのではと考えて、コンサルティング業界への転身を決意しました。
それまで、フォレンジックという分野があることをまったく知らなかったのですが、国税局でやっていた不正調査とも通じるような仕事が民間でもできることに驚き、それと同時にKPMG FASであれば自分の経験を最大限に活かせると確信しました。入社して実際に仕事をしてみると、やはり多くの部分に共通点がありました。不正の可能性についての仮説を立てる力も求められますし、多くの方と綿密なコミュニケーションを取ってプロジェクトを円滑に進めていくところも、前職と共通しています。公務員から民間へという大きなキャリアチェンジではあったものの、前職で積み上げてきたものは、今も十分に発揮できていると感じています。

厳格な姿勢への圧倒的な信頼
現在は主に、不正調査と不正防止体制の構築支援に携わっています。不正調査は多くの場合、弁護士経由で依頼されます。例えば、ある企業で「不正行為やその隠蔽が行われているのでは」という内部通報があったとすると、私たちはその企業の社員のメールやチャットなどのコミュニケーション履歴の解析、各種資料の分析、社員へのアンケート調査等を行い、不正や隠蔽が実際に行われていないかどうかを調べます。メールの本文内に「廃棄するように」というワードがあれば要注意、といった具合です。そして調査の結果は報告書としてまとめられ、弁護士等に提出されます。
あるいは、不正発覚時にはより精緻な実態解明のために、強力な権限を持った第三者委員会が立ち上げられることもあり、そのメンバーにKPMG FASのパートナーが名を連ねることも多々あります。フェアネスさに対するKPMGの厳格な姿勢が、社会からの圧倒的な信頼度の高さに結びついているのだと思います。私たちはクライアントのために仕事をするわけですが、同時にそれが社会正義を守ることにもつながっている。とても大きなやりがいを感じています。

経営層の意識変革にも挑む
昨今のESGやコンプライアンスの意識の高まりなどを受け、社会による監視が厳しくなっていることはもちろん、企業自身も不正に対する意識・姿勢が厳格化しています。不正発覚後には迅速かつ最善の対応が求められるのは当然のことながら、それ以前に不正や不祥事が起きないように防止するための対策にも力を入れる企業が増えてきています。
そういった取り組みには、規程類の整備やルール・手順の設計、教育研修の実施、サイバーセキュリティ対策などが挙げられます。例えば業務上横領などを防止するのであれば、現金の管理体制がどうなっているかを調査し、複数人による管理の徹底や承認フローの厳格化など、業務プロセスや組織体制の見直しを提言し、構築を支援していきます。不正や不祥事を防ぐために、組織として本来の“あるべき正しい姿”を追求していくことが、不正防止体制構築の基本的なスタンスです。
しかしここで重要なのが、経営層の意識です。不正防止体制の構築に対して、経営層はどうしても積極的になりきれません。というのも、やはりコストもかかりますし、業務フローの厳格化はビジネスにブレーキをかけてしまうのではないかという不安も感じるためです。しかし、SNSでの“炎上”の例があるように、一つの不正や隠蔽の発覚がその企業に及ぼす影響が格段に大きくなった現代では、決しておろそかにしていいテーマではありません。私たちもその重要性を経営層に訴え、時には耳の痛いことを口にすることもあります。しかしそういった地道な取り組みの結果、経営層の意識が大きく変わり、不正防止に対して前向きな姿勢になっていく様子を見ると、とても嬉しく思います。

デジタルフォレンジックの時代へ
近年の生成AIの急激な進化には驚くばかりですが、KPMG FASではフォレンジック分野においても、AIをはじめとしたデジタルテクノロジーを他に先駆けていち早く導入。独自のAIツールを開発・実用化し、既に多くの成果を上げています。例えば先ほどもお話ししたコミュニケーション履歴や財務情報の調査・分析業務などにおいては、AIを用いることで膨大なデータを従来では考えられないようなスピードと精度で解析が行えるようになりました。本格的なデジタルフォレンジックの時代が既に到来しており、データサイエンスを駆使できるかどうかが問われるようになってきているのです。
ところで、KPMG FASのフォレンジックチームで働いていて感じるのは、メンバー一人ひとりがプロフェッショナルとしての高い意識のもとで完全に自立している、ということです。仕事に対する解像度が高く、自分は何をすべきか、どのように向き合うべきかを高いレベルで自覚し、真摯に取り組んでいると感じます。フォレンジック自体が比較的新しい分野でもあり、また先ほどお伝えしたようにデジタルテクノロジーによる進化の目覚ましい領域でもあるため、敷かれたレールの上を走るのではなく、自らレールを敷いていかなければならないとの使命感を持っているメンバーがほとんどです。こうした環境は非常に刺激的だと感じています。
※記事の記載内容は、インタビュー取材時点のものとなります。
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